2018年 02月 04日 ( 2 )

海原力 Chikara Umihara 「Whispering Hope」

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self-published, 2017, edition of 300,

 ページを開いて、あーこういうやり方もあるのかあと思った。ちょうど新しい写真集の話をしていて見開きについて考えていたところに、このコデックス装でばん!っと広がった写真を見て、打ち合わせで散々写真集で見開きはそんなに好きじゃないと連発していた自分が、やっぱ見開きいいかもと思ってしまった。基本、見開きの連続なのだけど、そこに時折挿入されるテキストや余白を大きくとった人物の写真でその緩急のつき方にもとても上手いと思った。そのデザインを手がけたのはオランダのSybren Kuiper。通称 SYB。写真集のデザインの世界では最も著名な一人と言っても過言ではない。コデックスの見開きに感心したのではなく、作風とのマッチングに感心した。
 作家はアメリカを拠点に活動していたとか。行き先を決めずバスでアメリカ中を旅し、車窓やバス停に撮影ポイントを絞ってまとめた作品。行き先を決めない旅。なんかの漫画で読んで好きな言葉があって「旅行は帰って来る日が決まっているもの、旅は帰って来る日が決まってないもの」(たしかこんな感じ) で、これはまさしく旅だなあ、と。バスの車窓という制限が伴う撮影行為から発生した写真群は、単純に美醜の観点からいうとなんてことないとりとめもない写真と感じる人は多いのかもしれない。しかし、これはそんな鈍感な人達の為に作られた300冊ではなく、行くあてもない移動というロマンスに共感できる人達に向けて作られた一冊である。極めて内省的な作品にも関わらず、1冊の写真集として力強く完成させているのはやはり作家とデザイナーとの共同作業から得られた成果だと思う。
 アメリカのロードトリップというとやはり、ロバートフランクのアメリカンズが一番最初に浮かぶ。ハンドルを握り、ただただ一直線の道路をサルパラダイスとディーンモリアーティがアメリカ中を旅するオンザロード。彼らにはない孤独感がこの作品からは感じられる。行くあてもないバスに座って車窓を眺めているセンチメンタル感をAlec Sothが気に入って昨年のベストにこの作品を入れたのも理解できる。
 ナンゴールデンの作品、I'll be your mirrorという作品が持つコンセプトって写真が持つ根源的なコンセプトだと思う。例えば牛腸茂雄もそうだけど、対象となる被写体はそこでシャッターを押している作家のことを写しているという。この作品では写っているのは風景だけど、僕にはそこでシャッターを押している海原という作家の姿が見える。ガタガタとバスに揺られながらシャッターを押している作家のまだ見ぬ世界への期待と孤独感がこの写真集には凝縮されている。

by atsushisaito | 2018-02-04 22:50 | 写真集 | Comments(0)

吉野家

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経過観測すると、肉の盛りがいい時と悪い時があるな。肉が煮詰まってることも。これはかなりいい盛り。
by atsushisaito | 2018-02-04 12:41 | Comments(0)