2016年 12月 27日
Ed Panar 「Animals That Saw Me vol.2」
published by Ice Plant , 2016,
前作のAnimals That Saw Meの続編。装丁(微妙に丸背のあたりが違う?)、ページ数そして掲載写真数も同じくまさしくボリューム2。タイトルのまま、ただ単純に動物が撮影者を見つめているところをスナップした写真をまとめた作品。
なんだただそれだけかと思われるかもしれないが、ただそれだけでまとめてしまうという発想が普通にはでてこない。そして、そのシンプルなただこちらを見つめている動物の眼差しを見つめれば見つめるほど鑑賞者は撮影者であるPanarと一体同化していくのである。
この体験に覚えがある人は多いと思う。牛腸茂雄のSelf and othersを観賞しているときがそう。牛腸の撮影された人物を見つめているはずが、対象者の目に写る撮影者である牛腸の気配を感じるときがある。シャッターが落ちた一瞬の止まった時間の中で永遠と交錯する視線の間に鑑賞者が身を置くと、その視線がとても優しく感じたり、すこし不安で緊張していたり、そういった微細なことにまで気がつくのである。
まあそんなことはさておき、この写真集をただの動物写真集としてしかとらえられないのか、それとも一枚一枚に存在するのその瞬間を愛しく感じられるかは、結局は見る人しだい。ただ、僕には昆虫の視線はよくわからなかったw 鳥も微妙に怪しいのだけど、これはたぶん撮影時の首の動きで判断してるところもあるので、その瞬間はこれからゆっくり吟味してみようと思う。よく見てもわからないかもだけど。
この写真集いいよなあ。意外とこの小さなA5変型のサイズ、好み。vol.1をひさしぶりに開くと奥付にinspiration:Chet (1993-2011)って記載されていることに気がついた。18歳で亡くなったワンちゃんか猫ちゃんの写真を撮っているときにアイデアを思いついたのかな。