2014年 10月 04日
Anders Petersen 「Rome」
published by Punctum press, 2014,
Anders Petersenの作品というと、まず思い浮かべるのは黒と白で描かれるエキセントリックで強いイメージの代表作 CAFE LEHMITZだろう。今ではヨーロッパを代表する写真家となり、多数の作品を発表していて、初期から近作までその強さを通底し続けられているのは流石、と思っていた。 「思っていた」というのは、これまでPetersenのことを単純にそういう側面でしか見てなかったのだが、昨年のパリのBnFでの回顧展で、その真逆ともいえるイノセンスさに溢れる写真に出会って、彼の作品への見方が一変した。
全ての写真がそうであるわけではないのだが、時折、裸のように見せる愛情に満ち溢れた彼の視線に胸がときめく。 このイタリアのローマに3度訪れてた結果に作られた作品、表紙に使われている作品がとても愛おしく素晴らしい。そのやさしさに気付いた視線で彼の作品を見つめると、ざらつき荒れた粒子が描くAnders Petersenの本当の世界を感じることができる。
作中の作家の言葉、 モノクロ写真はカラー写真以上に色がある。色によって写真を見ることを邪魔されることなく、そして見るものの経験や想像をモノクロの世界に上に描くことができるのだから。