
ししゃもの町、北海道の鵡川でししゃもを食べた。 一般的に出回っている卵のプチプチ感が美味しい樺太ししゃもではなくて、キュウリウオ科シシャモ属の貴重な北海道産のシシャモ。 10月からの限定的な時期しか漁ができず、生で食べられるのは産地ならでは。
そのレアなシシャモの刺身の感想は、確かに旨みはありつつも非常にたんぱくな味わいでもあり、別に刺身や寿司で食べなくてもいいかなあ、という身も蓋もない感想なのだけど、焼きはさすが。通常、産地でも軽く干したものを焼いていただくが、ここ大豊寿司では生焼き。 生焼きという言葉がその時はいまいちわからなかったが、刺身で食べられる干していない状態を焼くということ。
旨みだけの判断基準では、一夜干しで味が濃縮した干したもののほうが、確かに深い味わいがあると思う。 しかし、このふっくらな食感は生でしか味わえない独特のもの。頭からかぶりつき、柔らかな身に歯を立てると、ほろっと優しい口当たりで、これが本当のししゃもかあ、と感動を覚える。
それとは逆にししゃも酒に使われるししゃもは、しっかりと干されたもので味わいに加え魚臭い香り、それが熱燗の酒に風味を与えて面白い。