2013年 05月 14日
Mike Brodie 「A Period of Juvenile Prosperity」
published by Twin Palms Publishers , 2013 , first edition of 3000
日本でもすでにあちらこちらで話題となっていて、本国アメリカの出版元では発売してから2ヵ月経たずに初版がsold outになってしまった作品(2刷が出版予定)。 1985年生まれのMike Brodieが17歳の頃から旅した記録。
トレインホッパーという言葉をこの作品を観ることで知った。貨物列車に飛び乗ってアメリカを旅する人達のことを指すらしい。そんなものは映画の中の話だと思っていたので、どの写真もまずその光景に驚かされる。 BMXに乗り、グラフィティを描いて逮捕される、ちょっとした不良でドロップアウトした少年がポラロイドカメラを手にして旅にでて仲間を撮る(途中からフィルムがポラロイドフィルムが生産中止となり、150ドルで買ったニコンのカメラに持ち替えてる)ことがこれほどの鮮烈な印象を与えてくれるのは、ひどく日常離れした光景のせいだけではなく、タイトルの「A Period of Juvenile Prosperity」が表すようにもう二度と戻れない時間に対するせつなさを同時に思い起こさせてくれるからなのではないだろうか。
2004年からThe Polaroid Kiddという名前でネットで、作品を公開していて評判だったみたい。その頃のサイトは既に削除してるのだとか。 2008年にthe Baum Award(過去にDeborah Lusterも。この人もTwin Palmsから出版してる)を受賞、その後に学校でまた教育を受け、卒業後はメカニックとして働いていて写真を撮ることはしていないとか。 写真集の最後には、そしてまた撮り始めてるという終わり方になっているけど。
the polaroid kiddというサイトが準備されているから、これからなんらかの動きがまたあるのかも。 収録されている写真は2006年から2009年に撮影されたもの。