矢内 美春 [愛をさがしに]

矢内 美春 [愛をさがしに] @ニコンサロン bis 新宿
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 ちらっと見た感じではなんだか軽い印象を受けたのだけど、作品の説明を読んでから作品をみると、時間軸のうねりにクラっときた。 顔面をガードしたのに、脇腹へパンチを入れられたような感覚。 作家本人が1歳で父親を亡くすという状況が、「普通」という感覚からはそもそも異質な状況である。 1歳までの亡くなる一年の間に残された父が撮影した映像を、フィルムで撮影するという行為。 まさに作家にとっては自分自身のことでありながら全く記憶のない父の視線を、複写する。 写真という表現が生かされた作品だ。 
 父が撮影した当時子供であった作家が父にかけよる映像を映した写真。 それは死の直前を思わせるような悲しみをまとっているが、おそらくこれは日常、子供が仕事に出かける父にすがるありふれたシーンなのではないかと思う。 しかし、そのまとめかたは感情的でとてもいい(本当に最後の別れだったら、すみません、、、)。

 惜しいことにプリントに重みがなかった。 とてももったいない。  でも、いい展示なので行ける人はちょっと無理してでも観に行った方がいい。
  
by atsushisaito | 2011-07-30 23:27 | 写真展 | Comments(0)
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