原久路写真展 「バルテュス絵画の考察 II」

原久路 写真展 「バルテュス絵画の考察 II」@gallery bauhaus
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 多少なりともアートに興味を持っておられる方が聞くと唖然とされるのではないか、と思うのだが、正直に告白すると「バルテュス」という作家のことは知らなかった。 もちろん、写真に限らず、それなりに美術館にも訪れているので、その作品を目にしたことはあるのだろうとは思う。 しかし、「20世紀のもっとも優れた人物画家のひとり」ということやその名すらも知らなかったことは事実である。 いかに写真以外への知識が少ないか、という話です。 はい。
 で、この作品を楽しむには、バルテュスのことを知っていれば、もっともっと楽しめたのではないか、とはおもうのだけど、それを知らない僕でも十二分に面白かった。むしろ知らない目線でまず作品を見られたことで、2重に楽しめた。 
 描かれた作品を実写化しているのだが、ディティールへのこだわりのために生まれる不自然さは不可解な異様さへと感じられ、またその不気味ともいえる雰囲気と共に醸し出されるエロスで作品は静かに膨張を繰り返す。使われている紙が(なんていう紙だっけ)、独特の質感で、シャープネスをあえて殺した描写が現実との境界線を曖昧にしている。  
 親切にも元になった絵と作品を並べたファイルが用意されていて、この絵がこういう作品になったのかあ、と面白くみることができたのだが、ずっとそれを眺めているとあまりにも写真の完成度が高くて、あたかも写真をもとに絵が描かれたのではないか、という錯覚を感じた。

 御茶ノ水にあるギャラリーで1F、B1の2フロアで非常に落ち着いて作品を見ることができる綺麗なギャラリー。3331 Arts Chiyodaからも徒歩圏内なので是非!
by atsushisaito | 2010-05-20 12:00 | 写真展 | Comments(0)
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