森山大道 写真展 「光と影」

森山大道 写真展 「光と影」@BLD GALLERY
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 冒頭からタイトルとは関係ない話で申し訳ないが、来年、ここBLD Galleryで猪瀬光の写真展が開催されるのだとか。 ハイクオリティな印刷の季刊誌「デジャヴュ」でしか作品を見たことがなかったので、非常に楽しみ。痺れるのは確実だなあ。
 で、展示。 「光と影」の再販を記念しての展示。正直、ペーパーバックの新書版はあまり好きな感じの印刷ではなかったな。 展示はぐわっと迫ってくる作品の強さに見惚れる(あえて言葉は並べない)。 清水穣の「光と影」に対する評論を思いだすも、はたしてあそこまで読み解く必要性があるのか、とも思った。あのような文章がどこでどう機能しているのか疑問だ。 なるほどなあ、という点はいくつかあったけど。ただ僕には、その論文の中で語られていた「森山の影」についてだが、普通に、リー・フリードランダーか、という貧相な発想しか浮かばなかった。 っていう感じの並べ方が一部あったわけですよ。 それにしてもただの空きビンの写真ですら立ち止ませられる力があるのだから、凄いの一言。
 宣伝じゃないのだけど、少しでも写真に興味があるなら、銀座一丁目まで電車に乗って見に行くべきだと思う。もちろん女の子を連れだす口実でもいいし。デートのプランに組み入れたらポイントアップ間違いない空間だし。 僕がなにも知らない女の子で、いきなりこんなとこ連れられたら惚れますよ。 帰りはジャポネでジャリコ横綱で満点。 と、言いたいくらい写真展そのものがもっとポピュラーになってほしいと思う。

このあとギャラリー小柳。 内藤礼。 微かに色が存在するドローイング。初めてみたけど、繊細で感動。写真でこれをやってしまうと、その真意に辿り着くことが困難で、表面上のチープな浅さしか見えないと思う(例えばティルマンスみたいなの)。 ここも本当にいい空間。 たぶん行ったことない人なら、その空間に怯んでしまうかもしれないけど、そんなときに力強くエスコートされると、へーっと見る目が変わるはず。

秋元茂写真展「CRYSTALLOGRAPHY(結晶学)」@gallery bauhaus
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 森山の作品が、写っている被写体の強大な存在感が印象的なのに比べて、こちらはプリントとしての物質的な美しさを備えている作品。大判で捕らえれた被写体の密度が濃い。 ギャラリーも素敵。 近くの神社と合わせてのデートプランにお勧め。
by atsushisaito | 2009-04-24 22:25 | 写真展 | Comments(0)