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 元田敬三 写真展 MOTODABLACK@森岡書店
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 車やバイクのエンブレム(っていうのかなあ)の写真。 バライタの質感はとても素敵なのだけど、写っているものがまったく理解できなくて悩む。 それはともかく、森岡書店はとてもいい空間。本を買わずに写真だけ見て帰るのは、なんだか気が引けるので、できるだけ静かにドアノブを回して、できるだけ静かにドアを閉めた。

 奥出和典展「KERBEROS」@ガーディアン・ガーデン
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 最後のひとつぼグランプリ展。 ちょっと描写が安直すぎやしないか、とは思うのだけど、これはこれでいいのかなあ、となんだか煙につつまれる作品。 

 第三回shiseido art egg 佐々木加奈子展@資生堂ギャラリー
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 銀座の資生堂パーラーの地下に広がる素敵なギャラリー。 ギャラリー小柳にも思うのだが、銀座にこんな素晴らしいギャラリーがあることを知っている人ってどれくらいいるのだろう? いい空間だなあ。 で、これは公募で選ばれた作品だとか。 以前、恵比寿のMa2 galleryで見た作家。 ゲバラが死んだということくらいしか知識がないボリビアに、沖縄村なるものがあるのだとか。 映像と写真。写真より映像の方が面白かった。 空間の使い方がうまい。

 ダニエル・マチャド展[幽閉する男]@銀座ニコンサロン
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 ウルグアイでかつて栄華を誇った名家が没落し、最後の一人になった人の記録。 キャプションだけ読むと、なんだかさみしい感じなのだけど、作品にはそんな悲壮感はなく、むしろ映画のニューシネマパラダイスの最後のシーンを観てるような、そんな感じ。

 テラウチマサト写真展「タヒチ 海と陸 昼と夜の間」@Ring Cube
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 タヒチ(笑)。 無邪気でいいなあ。よくもまあ、こんな表層だけの写真を撮れるものだ。 まあ、こういう景色と見る人をつなぐ媒介として存在できるのも、ある意味才能か。

 海沼武史展「カインド・オブ・ブルー」@エモンフォトギャラリー

 RingCubeとのギャップが激しすぎて、しばし混乱。 しっとりした美しい作品。 モノクロ、カラー混在だが全く違和感がない。 さっきの展示となにが違うのか、と考える。 もしかすると受け止める僕側の問題なのか、と。

 永瀬沙世 空中リフレクション@Gallery Speak For
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 僕の中では『青の時間~THROUGH THE LOOKING-GIRL~』という写真集のイメージが強い作家。 ファッションなどでは売れっ子の作家で、そういう感じのものかなあ、と思ったらスナップだった。 ギャラリーのスペースのわりにこじんまりした展示。 スライドもあったが、調整不足なのか見られなかった。 なんかロックバンドの写真があって、そのおっかけみたいな軍団が、展示されていた写真を携帯で撮っていた。 別に僕は周囲の人を不快にさせない限り、展示風景を撮影することはいいのではないかと思う。 だけども、彼女ら(バンドのおっかけにありがちな本当に不細工だけど服装は派手)は携帯を写真に近づけてのマクロ撮影。おまけに音がでかい。メロディーがギャラリーを包む。 なんか言ってやろうかとも思ったんだけど、側にいるギャラリーの人がなにも言わないのでは、僕の出る幕もない。 

 うつゆみこ個展@G/P Gallery
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 なんというか言葉がでない。狂っている。 よくここまで狂えるなあ、と感心というか驚愕。 その素晴らしい創作意欲にはただただひれ伏すしかない。 うん、天才だ。

 伊島薫 Landscapes with a Corpse@Art Jam Contemporary
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 伊島で英語だとIZIMAって書くんだ。 この後の飲みで思いっきり、伊島ってイズマって読むんだってよ!って言っちゃったよ。jiじゃないんだ。
 今では観る影もないけど、20才くらいのころはオシャレっ子目指して流行通信とか読んでいた。そんな流れでなにげに手にした「ジャップ」という雑誌で連載されていた「最後に見た風景」という死を想定した女優のグラビア。 当時はカメラには興味なかったのだけど、いまだ鮮烈にその印象は残っている。 その作品がHatje Cantzから(日本では何度か出版されている)出版されたことによる展示。 
 今、好きか嫌いかというと、どうちらでもないかなあ、という印象。 面白いとは思うけど。

 佐々木加奈子 Drifted@Ma2 Gallery

 資生堂ギャラリーで観た展示に関連する内容。 ボリビアの風景の中、自分自身が写り込むインスタレーションが一階で。2階は、入り口に懐中電灯があり、暗幕をくぐると、見事に光のない世界。足を一歩踏み出すのも躊躇うほど。 そこに懐中電灯を照らして歩く先に見える作品は、月面の世界。テレビの画面を撮ったであろう写真を弱い光の懐中電灯で見る。 光の弱さで全貌はまったく見えない。 おまけにフランス語で女が囁くBGMが怖い。 写真が面白いか、というとそうでもないのだが、空間は抜群に面白かった。

 Roe Ethridge「Goodnight Flowers」@Rat Hole gallery

 オープニングの日だったせいか、会場で後藤繁夫が作家にインタビューしてた。 ピンホールかなにかよくわからなかったが焦点の合わない花。 または細部緻密に写し撮られた馬。 う~ん、ちょっと僕には難しかった。
by atsushisaito | 2009-02-21 22:29 | 写真展 | Comments(0)