2008年 07月 22日
アジャンタ@麹町
大阪の大学を中退して、東京にきて最初に住んだのが世田谷の経堂。そのころ、その地域の情報を全く知らなかったので、今の僕としては、ずいぶんいいところに住んでいたのだなあ、と思うのだが、当時の僕はそんなことを思いもせず、ただただ貧乏生活を送っていた。高級住宅地である反面、大学があり学生が多い町であったせいか、暗室つき、安い家賃でかなりおおらか(アルコホリックな)な生活をおくっていた。
そんな折、アパートのすぐそばのゴミ捨て場で拾ったのが浅野哲哉氏の『風来坊のカレー見聞録』。アジャンタが今の店に移転する前のころに著者が働いていたときのお話。アジャンタのカレーに出合った衝撃から、インドからくる調理人の葛藤まで、本当に何度も読み返すほどお世話になった本。 残念ながらラーメンにはそれなりに興味を持った生活をしていたのだけど、その他にまで食指を伸ばせられる生活ではなかったので、アジャンタに行くことはなかった。
そして約10年ほどの時を経て、移転はしたもののアジャンタに行く機会に出合えた。 事前に知ってはいたのだけど、かなり値段がはる店(普通のカレー屋に比べて)。サービスは丁寧なので、そのことについてどうこういうつもりはない。 まずはラッサム、、、、いやこういう書き方はやめよう。 総じてどれも美味しかった!特にマトンカレーのマトンの柔らかさ。 こんなマトンもあるのか!驚いた。
しかし僕が期待したのは浅野氏が書いた世界。こんなん食べられるの?というほどのホールスパイス満載で刺激的なカレー。正直、食べられなくて残さざるえなかったほうが、僕としてよかったのかもしれない。これはむりやわ~と微笑みながら。そういう意味ではマイルドで無難に美味しいカレーだった。
なのである意味では、がっかりした。あと値段も高すぎる(僕には)。でも美味しかった。マトンカレーを心の底から旨いと思ったのは初めて。
ランチタイムだったらかなりいいかも。