Mathieu Asselin 「Monsanto: A photographic Investigation」



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published by Verlag Kettler, 2017,

 モンサントという企業をテーマに製作された作品。巨大な化学メーカーで、これまで開発されてきた製品から人類は多くの利便性を獲得してきているのは確かなのだが、それを遥かに凌ぐ悪名を得ている。ダイオキシン、枯葉剤、そして遺伝子組み換え作物。モンサントという企業の強すぎる光と影。

 ダイオキシンで汚染され人が住めなくなって放置されてしまったかつてモンサントの工場があった町。感情に任せない静かな視線で撮影されたそれらはとても力強い。挿入されている資料の1936年のポストカードには当時の輝かしい街並みが描かれている。福島双葉町の「原子力 明るい未来のエネルギー」という看板を連想した。汚染された町には多くの工場で働く人たちがいたが、今の状況を想像できた人は誰もいない。

 agent orangeこと枯葉剤の章。こちらはショッキングな写真が多く、写真集の表紙にもそういう写真が含まれているという注意書きがされている。枯葉剤についてはベトちゃんドクちゃんの報道がよくされていたので、モンサントを知らなくても枯葉剤のことagent orangeという言葉を聞いたことがなくてもそれをよく知っている人は多いかと。敵が隠れる森林や資源となる畑に大量に散布し続けた。人体への影響は今もなお問題となっている。そして遺伝子組み換え農作物。モンサントの除草薬に耐性があり次世代へ種を残さないという物を作る。農家から利益を吸い上げる構造をおぞましいと思いつつも、一円でも安くと買い求める我々消費者がいる限り、それらの追求の手は止まらない。

 この歪んだ構図を写真と丁寧な資料による説明で、この企業をビジュアル化することに成功している写真集。モンサントが悪い!という声はたくさん聞くけれど、結局はそれを求めすぎている我々にも問題の責任がある。巻末に連なる無機質な広告の写真と言葉はそれに疑問を持たずにイエスと言い続けてる我々を巻き込んでの問題提議をしている。

 写真集の内容は正直あまり好みではないけれど、B4(たぶん)サイズ的には骨太なごつい装丁でこれは結構好み。ただ、ボール紙でこういった形でガツンとすると反りが目立つ。イメージ的にはソフトカバーで十分いい線いけそうな感じだけど。


by atsushisaito | 2018-01-07 22:27 | 写真集 | Comments(0)
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