横田大輔 Daisuke Yokota 「Color Photographs」

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published by Harper's Books / Flying Books,2015,edition of 750,

 海外で日本の写真家の話をするときにいつも思うのだけど、当然僕らは日本人で日本人の作家のことはある程度は知っているつもりなので、そののりで会話してしまうと、海外の人は日本の写真家のことをほとんど知らないことに気付く。写真集マニアであってもそうだ。中には日本人以上に日本人の写真集について知識が豊富な人も稀にいるのではあるのだが。そういう稀な人達が普段周辺に集まりすぎて、それに対しての意識が薄くなっていて、つい日本にいるのと同じ感覚で話してしまうと、え?え?知らない?ってなってしまう。その原因の一端がNazraeliにあるのかなあ、と思う。ある意味ガラパゴス的な感覚で日本人作家の写真集を作ってしまうので、それを見た僕らは海外でもメジャーな作家なんだ、と錯覚させられる。もちろんメジャーには違いないのだが、一般的に普通の写真集が好きな人には知られていないということ。例えば、鈴木理策という作家を知っている海外の人がいれば、それはかなりマニアックな分類に入る。名前だけで話が通じる作家といえば、荒木森山、杉本博司、それにこの横田大輔かな、と思う。
 逆にいえば横田大輔のことを知らない日本人の方が圧倒的に多数なのではないかと思う。2014年から昨年にかけてロンドンのAkina booksから3冊の写真集が出版されているが、日本の書店に並ぶ前に完売してしまうほどの人気ぶり。一部のフットワークの軽いネット書店で少部数が入荷されたものの、買えた人なんて相当マニアックで血眼にチェックしてる人達だけだろう。NYのsession pressからのTaratineもしかり。昨年発売された写真集なのに、すでにイギリスでは3万円くらいの値段がついている。このあたり少々、写真集バブルの過熱ぶりが感じられるけれど、これほど熱くその挙動が注目される作家なんて世界で見てもほんの一握りだ。
 で、昨年にひっそりと出版されていたのが、このColor Photographs。今年に入るまで日本では全く情報がなかった。でもNYと日本の書店の共同出版。NYといってもけっこう外れにあるそうで、NYの書店の話をするときにHarperはどうなの?みたいな話題になると、いやあそこはNYといっても、、、っていうくらいに郊外にあるらしい。行ったことがないのでわからないけれど。以前、北井一夫の「BARRICADE」を出版したことがあるところ、といえば分る人が多いと思う。そこと渋谷のFlying Books(こちらも行ったことがない)が版元だそう。
 まだ一度も横田写真集をブログにアップしたことがなかったけれど、僕も横田写真集をほぼ全部持ってるというマニアックで血眼に探してる変態の一人なのだが、なぜかこの作品については今年にフランスから取り扱いはどうなってるの?というメールが来るまで見落としていた。調べてみると日本が版元の一つと知ったので、連絡してみたがどうも的を射ない答えしかもらえなかった。それから代官山蔦谷で購入できることが分かり、手に入れた次第。
 Harperが前回出版した本からして、あまりセンスがないなと思っていたので、全然期待していなかったのだが、けっこう気に入ってしまった。いままでの横田写真集って、彼の作風の特異な部分を全面に押し出してるものが多かったと思うが、今回はとてもオーセンティックでシンプルなクロス装丁。表紙を開いてページを捲っていくと、ビビッドで生生しいカラー作品が表れる。この対比がとても良い。これが色がついたごちゃごちゃした表紙だったら、ありきたりでつまらないとこだが見事に纏められている。森山大道の「color」を思い出したり。
 蔦谷の説明文には「撮影を伴っておらず、軽く露光させただけのフィルムを高温現像する」と記載されている。露光させたプロセスがどういうものであったのかはわからないが、相当高い温度で現像しないとこのような状態にはならないのかなあ、と思う。カラーフィルムを手で現像したことがないので、そのあたりはよくわからない。薬品の調合具合にもよるのかも。
 そういうわけでお薦めな一冊。買える買った方がいいんじゃないかな、と。大きなお世話だけど。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/d-tsutayabooks/art55542w.html
by atsushisaito | 2016-01-19 13:48 | 写真集 | Comments(0)
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