Rafal Mirach 「Winners」

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published by GOST books, 2014, edition of 500,

 去年あたりから、ずっとポーランドがきてる!といろんな人に言っているのだが、あまり誰もピンときてくれなくて、もしかしてどこかほかの国と間違えてるのかなあ、などと思ってしまうほど、まだまだ日本にはポーランド写真家ブームはきていなくて、一人でぽつーん、としてるわけだけど、そんなポーランドの作家 Rafal Mirachの7 rooms , in the car with R, black of concrete ceaに続く4作目の作品集。 Paris Photoで買ってきてもらったのだけど、発売情報は今年の頭から流れていて、ずっと欲しいと思っていた写真集。
 Rafal Mirachの作品の特徴は、ロシア語圏の国の人や土地の空気を等身大に紡いでいくもので、東欧の色合いを繊細に描いていく。(in the car with R はアイスランドだっけ??) そんなRafalの作品なのだが、今作は一風どころか、かなり違っているように感じた。被写体こそ東欧の姿形だけれど、そこには観る者の情緒が入る隙間がない。 GOST booksのページでも、あまり詳しい説明がなく、いったいこれはどういったものなのだろうか、と不思議に思っていた。 Rafalの作品は、いつもAnia Naleckaが手掛けているが、今作はクレジットにRafalとAniaにGOST(ロンドンの出版社)が。

 Winnersの舞台となったのはポーランドの隣、ベラルーシ。ヨーロッパ最後の独裁国、悪の枢軸などと呼ばれている。しかし、インターネットが遮断されているわけでもなく、自由に海外にも旅行に行ける。 しかし、市民には選挙権はあれど、形だけのもので、不正が横行している。現在の大統領 アレクサンドル・ルカシェンコが2004年に大統領の多選を禁じる憲法を改正したことから、独裁が続き現在に至っている。 写真集の表紙に書かているものはその時の法令文。 いまいち理解できないが、ヨーロッパに北朝鮮があるようなものだと考えればいいのかも。 ゆるやかな独裁のようにも感じられるが、実際には放送局などを政府が掌握していて、街の綺麗さも裏を返せば監視社会であったソ連時代の空気がいまでも漂っていて、市民は気軽に政府の悪口など言えないのである(旅行者には暖かくしてくれるらしい)。
 そのルカシェンコ大統領が、市民を懐柔するために作られたのが、様々なコンテスト。様々なコンテストでたくさんの模範的市民を生み出す。そう、彼らが今作品のメインテーマであるWinnerだ。 「ミンスク(首都)で最高の警察官」、これは理解できる。「ベラルーシで最高の溶接工」 「軍学校で最高の生徒」 「最高の図書館職員」、「ミス ベラルーシ(かわいい)」、まあ普通かなあ。 「最高の乳搾りの女(彼女は一ヵ月に最高1160リッターもの牛乳を搾乳した)」 「ミス おっぱい」 「ベストカップル」 「ベストゲイ」 「ジェニファーロペスに似てるで賞」 「ベストビッグファミリーで賞」 「ベストホテルメイド (彼女は33秒でシーツを交換できる)」 などなど、様々な賞が国の後援によって行われている。
 Rafalはベラルーシから許可を貰って撮影に臨んだ。広報官のような人に案内をしてもらい、かなり効率的に撮影したのだとか。 意図的にストロボをあてることで、陰影による感情の起伏を消し去り、フラットな事物のように撮影した。彼らはもちろん人ではあるのだが、Rafalが捉えようとしたのは、国が彼らにお仕着せたプロパガンダの側面で、人間的な味わいは一切必要なかったのだ。 そういう意味では一枚一枚の写真はその不思議なテクスチャーを感じさせるだけで、無機質。 最初はなんだかわからなかったが、作品の背景などを知るにつれて、この作品集のコンセプトの深さが理解できた。ような。  もうちょっとまとまったら、ちゃんと書き直します、、、。
 一ページ枚に写真が貼られていて、キャプションが写真に隠されている。裏表紙には愛国ラップを英語に訳したものが。下の動画がこのラップ。この女の子も写真集に登場している。 


素手で自転車のチェーンを直したので、爪が汚い、、、、
by atsushisaito | 2014-11-21 16:04 | 写真集 | Comments(0)
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