2014年 08月 19日
Txema Salvans 「The Waiting Game」
published by RM, 2013,
スペインの路上の娼婦を撮影した作品。 Deutsche Börse Photography PrizeにノミネートされたMishka HennerのNo Man's Landと同じ題材を扱ったもの。 彼女たちは、一日路上で客を待つ。スペインでは売春は合法だが、彼女らの多くは移民で、店を構えて営業する許可を取ることが難しいために、路上で立つことになる。
Mishka Hennerの場合はグーグルのストリートビューを使い撮影されたもので、同時期のDoug Rickardとともに時代を象徴する作品だったが、Txema Salvansの場合は8×10の大型カメラで撮影されている。写真を見てわかるとおり、撮影した場所は人気のないハイウェイ、大型カメラを構えて撮ろうとしてもすぐに気がつかれてしまう。 そこでSalvansは測量士に化けることを考えついた。作業員が着るような服装に身を包み、誰もその存在を特別に気にしない存在と化し、彼女たちの自然な姿を撮影することに成功した。
大型カメラで撮影したことは、この作品により強い強度をもたらしている。そのフォーマットの強さは、スペインの都市と都市を結ぶ郊外のランドスケープとしても一級品の写真へと昇華させている。 とても面白い作品。