Nicoló Degiorgis 「Hidden Islam」

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published by RORHOF, 2014, edition of 1000,

 手にして数ページ捲った瞬間に、ビビビとくる写真集が稀にあるが、この本がまさしくそれ。発売以前から、Martin Parrが序文を書いてることで気になっていた本だったが、北イタリアのNicoló Degiorgis達が運営している出版レーベルから直接買うほど気になっていたわけではなく、発売してしばらく経った後、flotsam booksに注文していた本をいろいろまとめて送って貰ったのだが、その中にあった一冊。 注文していた本などで、送られてきた本のそのどれもが気になっていたものだったが、とりわけこのHidden Islamを触ってみて「凄いな、これは、、、」と興奮した。 その興奮をtwitterで書くと、その日にflotsamの在庫はなくなってしまった。そして翌日にはフランスのアルルで行われていた写真祭でHidden Islamが賞を受賞して、それから世界各国で出版社に注文があったのだろう。 瞬く間にsold outになってしまった。 たまたま押さえてもらっていたので手に入った本だが、のんびりしていたらこの2014年で最大の注目を集めた一冊であるこの本を手に入れるチャンスを逃していたかもしれない。  しかし、まだ2014年も半分を過ぎたところ。11月にはパリフォトのブックアワードもあるので、この作品の動向が気になる。 これだけのスピードで売れてしまったので、2nd editionの発売の動きもあるとか。
 REMINDERS PROJECTのページにMartin Parrの序文が日本語訳されているので、作品の内容はそちらで。 というわけにもいかないで、こちらでも簡単に。 撮影地はイタリア北東部。イタリアでもイスラム信者が増え続けていて、深刻なモスク不足に悩まされている。モスクというと、あまりイスラムに馴染みがない我々は、大きさの大小はともかくタージマハルのような立派な宗教施設を思い浮かべがちだが、作品を見てみるとそれほど様式に囚われずともいいのかもしれない。 倉庫やお店、果てはディスコまで間に合わせのモスクとして利用されている。
 作品は8つのチャプターで構成されていて、例えば最初の章は「倉庫」。一見、普通の倉庫のモノクロ写真が連続するのだが、折り込まれたページを開くと、カラーのお祈りをしている中の様子が広がる。余計な情報を排除した写真、しかし実は中でお祈りをしている、このギャップがこの作品の面白さでもある。 でも、僕はこの折り込まれた「答え」はサービス過剰で蛇足でもあるのでは、と思う。というのも、このお祈り風景がなくても、外観の写真だけで強烈に面白い。 人の不在こそが逆にその存在を感じさせてくれる。もちろん、これが宗教施設として使われている場所とは、説明されなければわからない。 でもそのわからなさがわかった瞬間、一気に写真の見方が変わり、面白さを実感しようとその光景を自分の体験のように眺めることができる。
 ちょっと恥ずかしい話だけど、最初にこの本を手にしたときに、実はページが折り込まれていることを知らなくて、建物の外観の写真だけで興奮して、そこで初めてこの作品について調べだしたところ、カラーの折り込みページがあることを知り、やられた、と勝手にやられた感を一人で味わっていた。 建物の写真だけでいい、というのは個人的にこの折り込みページという存在が好きではなくて、折り込まれたものを開いて戻すという作業がどうも苦手。この作業、丁寧にやらないと写真集が傷む。さっそくこの本も戻し方が不十分で変なところに折り目をいくつも作ってしまった。なので、これからこの本を触る人は、少しばかり慎重にページを開いて戻さなければすぐに傷むことになってしまう。 まあ、それは作品と全く関係ない話だけど。
 とにかくお勧めな一冊。残念ながら売れ方が凄まじく、版元はもとより、書店にも在庫がない状態。2ndが刷られたら是非、手に入れてもらいたい。 余談だが、これを手に入れる数日前に、新大久保の眠らない24時間営業の八百屋を取材したテレビ番組を観ていて、その向かいがちょうどこういうお店の奥が実はモスク、という場面があり、作品を見ていて、その様子がありありと目に浮かんだしだい。 
by atsushisaito | 2014-07-29 16:43 | 写真集 | Comments(0)
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