Thomas Demand 「Thomas Demand 」

c0016177_1812268.jpg

c0016177_181348.jpg

c0016177_1814069.jpg

c0016177_1814890.jpg

c0016177_1815648.jpg

c0016177_182392.jpg

c0016177_1821527.jpg

c0016177_1822163.jpg

c0016177_1822819.jpg

 2005年にNYのMOMAで行われた個展での図録。 現在、清澄の現代美術館で開催されている個展を見てからみると、さらに深くみることができて面白い。 展示を見て、本を見て、さらにまた展示を見たくなった。
 
c0016177_1883547.jpg

 現代美術館の展示で最も長い時間、観る者の足を止める作品はなんといっても、この福島第一原発の制御室だろう。 当然、2005年の図録には掲載されていない。 本をめくりながらこれらの延長線上に、制御室の作品が作られたことを考えるとなんとも言えない気持ちになる。 時間は巻き戻せない。 写真はそれ故に、写真たる存在理由がある。 日本人として、この制御室をみてなんとも思わない人はいないだろう。 デマンドによって、再構築され、撮影され、そして目にしている紙で作られた世界は壊され存在しなくても、いまだに現実の制御室には作業員が現実と戦っている。 そのことをすでに遠い世界のごとく今を楽しんでいる人間としては喉元に刃を突き付けられたような気持ちになる。 
 分厚いマニュアルであろう資料はフラットに真っ白い。 細かい数値を示すはずの計器も真っ白。 無機質に並ぶたくさんのスイッチ。 天井の素材が落ちてくるありさまは、一片の埃もなく、ただまっさらに綺麗だ。 多くの人の汗が垂れ落ちて埃まみれのはずの制御室と背中合わせの存在、これは美術館に足を運んで、作品と対面するべきだ。
by atsushisaito | 2012-05-28 12:00 | 写真集 | Comments(0)
<< ナムプリック@中野 川内倫子 Rinko Kawa... >>