2012年 04月 03日
Thomas Demand 「黒ラベル」
先日、表参道ヒルズで行われたTHE PHOTO / BOOKS HUB TOKYOで購入した面白い本。 Thomas Demandという作家は、簡単に説明すると現実の世界を、実物大の大きさで紙で再構築、作り上げたペーパークラフトを撮影し、終了後にはそれを壊してしまう。 出来上がった世界は、とても無機質で異様な静けさを持っている(間違ってたら指摘お願いします)。
この作品は2008年に現代美術センター・CCA北九州でThomas Demandが行ったインスタレーション。写真集の発売は2009年だけど。 背表紙からしてカタカナで「トマス・デマンド」とユーモアがあるのだが、表紙を開くと、デマンドのメモやおそらく滞在時に使用したのであろう、健康増進センターの利用書が。 もちろんコピーなんだけど。
北九州のポツンと立つ小さなビルにデマンドは興味を持ったみたいで、それを紙で再現、撮影されたものが 展示された。 前半は実際のビルの写真とその中。Demandのこういうスナップみたいな写真が収録されているのって珍しいのでは? よく見ると居酒屋かスナックみたいなところに、デマンドの作品も飾られている。 スナックには美術センター、美術センターにはビル、相互に関連しているのだとか。
タイトルの「黒ラベル」とは、サッポロビールの黒ラベルの看板から(その写真のせるべきだった、、、)。 シリアスなテーマを扱った作品が多い中、肩の力が抜けた作品で、なんだか面白い。
ちなみにNADiffのwebから購入できる