野口里佳 光は未来に届く

野口里佳 光は未来に届く@IZU PHOTO MUSEUM
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 待ちに待った野口里佳の展示。 面白かった。 面白かったからこそ、展示スペースの狭さに不満が出てくる。 もっとたっぷりみたいという欲求は残ったなあ。 これが都内だとそんなこともないのだろうけど、さすがに100キロ離れた場所となると、、、。とはいえ、自分が好きで行ってるのだし、スペースの大きさなんて何度も行ってるのでわかっていたことなので、いまさらいうことでもないが。 来年の3月までの長い期間の展示なので、もう一度くらいは行くと思う。 クレマチスの丘全体と、その周辺を楽しむつもりで出かけるのがベスト。
 新作の展示は、いままでの野口里佳の作品のように、なにか主題が作品全体を貫いているものではなく、一枚一枚の美しさはともあれ、展示としてはよくわからなかった。 シルクスクリーンの作品も。  フジヤマの写真数点、ロケットの写真などは、また出会えたのだなあ、といった感じ。 やはり僕の中では原美術館での展示の印象が強烈に焼きついていて、手作りロケットの写真は一気にそのときの感情を呼び覚ませてくれる。 スライドの展示もあるのだけど、これは??? ボタンを押すと始まるのだが、なにが写っているのか、そもそもそれはなにかの写真なのかもわからない「色」が壁面に写し出される。 その判別のつかないなにかが、プロジェクターのレンズのオートフォーカスなのか、はたまた自分の眼のレンズの動きなのか、もやーと動いている気がして気持ち悪い。 数枚見て、見るのをやめてしまった。 
 最初に説明し忘れたが、展示フロアはなんとなくいくつかの部屋に仕切られている。 スライドの次の部屋は、一点ずつどれも主題が違う。 でも未発表の写真なのか。 なんとなくどれも過去の作品の切れ端のような写真。 そして最後の部屋(別に順番があるわけじゃないけど)は、建築現場のモノクロ写真。 僕は見たことないと思う。 野口風な空を大きくとった構図。 写真の中に存在する人との距離感がなんとも独特というしかない。 
 こうして振り返れば、あれ?けっこう充実していたのかなあ、なんて思ったり。 ま、僕は展示を見る時間以上にミュージアム併設の本屋で写真集を物色していたので合わせて満足かな。 写真集が凄く充実していた。 野口関連だと「鳥を見る」やIn betweenシリーズのものも置いてあった(展示に合わせて限定数入荷したのだとか)。 
 
by atsushisaito | 2011-09-15 21:51 | 写真展 | Comments(0)