和商市場

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 今回、釧路は2回目。 前回は和商市場がなんだか胡散臭くて中にはよったものの、なにも買わなかった。 なにが胡散臭いかというのは、もう観光客に買わせようという感じが隠さずに全開だったから。そりゃあ、商売だから売ることのなにが悪いという意見も理解できるけど、例えば服屋で服を見に来て、絶えず試着してみませんか?と付きっきりで声をかけられるのはうざくてしょうがないでしょ。 そんな感じ。
 なので、今回寄ったのは、米。 米を食べるため。 何故、米を求めるのか。それはウニを食べるため。 JAのスーパーで根室さんのウニを購入。確か中箱1280円くらい。 東京のスーパーで1000円出しても不味いウニに当たる確率大なのだが、そんな心配はなし。 それを和商市場で持ち込み、まずは米の中盛りを惣菜屋さんで購入した。 
 市場中央の食べるスペースでは、鮮魚店がそれを間近に取り囲み勝手丼を求める客を虎視眈々と狙っているのだけど、冬場の平日には客はほとんどいない。 結果、とても注目される形になってしまう。場所を利用させてもらうのだから、少しはお金を落としていかないと悪い、という気持ちも働き、とりあえず適当な店でいくらをご飯の半分くらいにのせてもらう。 端数をおまけした、という恩着せがましい言葉をもらいながら、会釈してるとウニはいかがっすか、と言ってきた。 そんなロシア産よりもっと安くて旨いのがここにあるんだよ、とはいわず、けっこうですと飲食スペースへ。 
 買ってきたウニをどばっとご飯の上にのせた。 のせていくはしから口角が上がり、これから始まるエクスタシーへの期待が高まる。 もちろんこの行為は、周囲の暇してるお店の人達は見ていただろう。 だけど、気にしない。この世界には僕とこのウニいくら丼しか存在しない。 視界は目の前30度。 雑音を消して、いざウニを食らった。 
 ご飯の熱を受けたウニは甘味を増大させ、口腔に広がった。 はっきりいっておくが醬油はつけていない。 ウニと白飯。それ以外のなにが必要だというのか。 しかしウニの甘味を存分に味わっていると、塩気も欲しくなる。どうする? 醬油でつけこまれたイクラを少し混ぜればいいじゃないか。 たっぷりのウニと少しのイクラ。 米、ウニ、イクラ。 3つの旨味が混然となって、それはまさしく口福。 
 申し分のない量のウニだからできることであって、和商市場のちまちました量、高額な料金ではこの至福は味わえない。 断言するが、このクオリティーのウニで、この量だと3000円払っても無理だ。ウニだけの料金でも。 それほど勝手丼の闇は深い。 安くて旨いを求めるなら、そのへんの寿司屋のランチに行くのが無難だ。
 なんか話が脱線したけど、ウニは最高でした、という話。 ええ、ほんとうに最高でした。
 
by atsushisaito | 2011-01-23 20:43 | 飯@23区外 | Comments(0)