今井智己写真展「光と重力」

今井智己写真展「光と重力」@リトルモア地下
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 観に行ってから、少し時間が経ってしまったのでどんな感じだったかなあ、と思い返して見る。 8×10で撮られ、大きく伸ばされた作品は、物としての重厚感はあるものの、そこに写されている風景って別段の凄みがあるわけじゃなくて、ちょっとあっさりとしすぎではないかなあ、といった感じでそこにバイテンのカメラを運んで露光するという行為に、おつかれさまです、という記憶が残っている。 ちょうどアサヒカメラの2月号の石川直樹とホンマタカシの対談で、この作品が取り上げられていたので、再度、読み返してみた。 喧嘩腰で迫る石川から「ありがち」という言葉を引き出したホンマは上手いな、と思った。 そうなんだよなあ、誰にでも撮れるし、撮ってしまいがちな景色。 展示観ながら、俺もこんな写真撮ったことあるなあ、と思ってた。 対談では、石川の作品を同じ風景でも既成の概念を打ち壊した作り方とし、ただただ質量に依存してしまったままの今井の作品と対照的に並べていた。 あと、ホンマタカシは、今井の作品は森の写真以外にも日常の風景が混じりこむことを「迷い」としているが、僕はむしろそのカーテンや窓といった日常の作品が並んでいなかったら、数分でギャラリーから立ち去っていたと思う。 その作品が揺らぎとなって全体に慣性を与えているのではないかなあ。 
 なんだか考えがまとまらないんだけど。
by atsushisaito | 2010-02-24 12:42 | 写真展 | Comments(0)