リリー・フランキーの東京タワー

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 Bookoffの100円コーナーに手垢のつかない綺麗な状態であったので、購入。僕は、本や映画に対して事前に情報が入るのが嫌いなので、書評や映画評そういった類の情報はシャットアウトしている。なので、これがどういう内容のものかは知らなかった。本のタイトルとして東京タワーといえば江國香織のものが頭に浮かぶので、また中途半端な恋愛小説か、なんて微妙な先入観とともに読み始めたのだが、これが面白かった。純粋な小説として読むと、不完全な読み物なんだけどエッセイとして読めば、時折やってくる鋭利な感情の起伏の描かれ方に思わずにやっとしたりジワっと涙腺が緩んだりしてしまう。
 僕みたいな学生という身分にかこつけて24歳までお年玉を貰っていた親不孝な人間には、かなり沁みるお話である。別に僕自身は普段そんなことを思って生活していないのだが、片親=マザコン、またはファザコンというのは、例としては間違いないのだろう。作者のリリー・フランキー氏は立派なマザコンだ。 だが、一緒に生活する中でイラっとする部分も書かれていたり、人間として率直な感じが文章に溢れていていい。体裁を取り繕わない。あくまでオカンとの生活の話が基軸なので、リリー・フランキー氏がいかなる方法で生活を安定させたのかに対しての記述がないところが、いい。流れとしてはどうしても書いてしまいがちなところを綺麗に端折っている。 それによりさらに生活にフォーカスがあたっていて作品としての完成度が上がっている。
 ただ、やはりこれはエッセイで小説ではない。序盤こそ、その香りが少しはするものの富士そばの社長の自伝エッセイとなんら変わりはない。ただ感情的なだけ。 僕は好きだけど。
by atsushisaito | 2009-01-10 21:48 | | Comments(2)
Commented by midori at 2009-01-13 07:49 x
私もこれ読んでしばらく、号泣〜〜〜の日々でした。
リリーフランキーちょっと斉藤さんにかぶるかも。(勝手なイメージ)
Commented by atsushisaito at 2009-01-13 20:25
涙もろい人は、泣いちゃうんだろうね。

かぶるって貧乏学生生活なあたりだろ。
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